雑記
ちょっと前に読んだ岡本賢一の『MONSTER7』が面白かった(のかな?疑問符つきなのはこれ単体で成立してる話ではないので、きちんと話を読み取れたかどうか自信が無い)ので、前作にあたる『ディアスの少女』『ディアスの戦士』『ディアスの天使』と読んでみたわけですが、これがまたひどく面白かったわけで、びっくり。
なにがびっくりって、話の部分部分を抜き出すとぼくのすごく嫌いな類の話なはずなのに、出来上がった話がすっげくよかったわけですよ。手放しではほめないけどな。根本的にひどい話だし。絶対的にご都合主義だし。ネタバレを外して語れる自信が無いので語らないけどさ。
主人公たちもそれ以外のキャラクターも魅力的で、軽妙かつコミカルな文体で……でもそれでいて何があろうと(誰が死のうが何が壊れようが)物語は冷酷なほど淡々と進んでいくのは結構きつかったです。
だからこそラストシーンの「リナ・グレイ」が美しいのだけど。
<好きなシーン>
三人は顔を見合わせて、しばらく言葉をなくした。
「さて、冷めた珈琲でも飲みに行くか」
「悪くない」
「そうしよう」
(ディアスの天使)
<裏・好きなシーン>
「我は常々、煙草をやめたいと考えていた。(中略)どうやら身体ではなく我の心がこれを欲しているらしい」
(ディアスの天使)
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