怪異なるU
295 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/20(火) 15:53:56
…めくるめく色彩。一瞬何か理解できそうな形をとるかと思えば、次の瞬間に
はまた不定形へと溶け込んでしまう。見つめようとするとひどいめまいと頭痛
に襲われるのだった。そんな光景がいつまで続いたのか、やがて何者か、ひど
く巨大な、圧倒的な存在が近づいてくるのを「感じた」。その「圧力」を。
その「もの」の意識?…知識?…が流れ込んでくる…見たこともない、想像す
ら出来ない光景…人間の理性を押し流す異界の知識…いや…理解しようとして
はいけない!卑小な哺乳動物の本能が必死に叫ぶ…しがみつけ…お前は誰だ…
昼飯のカレー…スプーンをポケットに入れるな…退屈なパトロール…「君は優
秀だ」…「大きくなったら何になりたい?」…
296 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/20(火) 15:55:37
「誰か」が見おろしていた。
先程の「もの」の存在を感じる。どうやらあの「もの」は、人間の精神の限界
を理解してくれたようだ。それとも弱々しい脳髄が自己防衛のためにこの「形」
を創り出したのか。
だがそれにしてはひどく冒涜的な姿ではないか。ひとの形をしている。だがそ
の肌は、あたかも鱗のない魚のように銀色に光っている。乾いていながら、ぬ
めっているのだ。その全身には、いまだ現代社会に知られざる秘境の民族が行
う呪術のような、赤い紋様が施されている。紋様を見つめていると、またして
も精神が異界へ引きこまれそうな感覚、めまいを感じた。
297 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/20(火) 15:57:17
そして顔は更に断絶していた。頭髪はない。そもそも全身が無毛なのだが。口
はどこか嘲笑的に戯画化された痕跡に過ぎない。そして目は…漁師たちの目に
さえ滅多に触れない深淵の怪魚が息絶えたかのように、白く濁り、飛び出して
いた。瞳のないその目は、しかし確かにこちらを見つめている、それが感じら
れる。
これは仮面ではないのか。だが意識のどこかでは、確かにこの「もの」の「素
顔」、「肉体」であることを認識していた。
どうみてもウルトラマンです。(エーッ!?)ありがとうございました。
クトゥルフスレで見かけたSSなんですけどね。すてきにコズミックがホラーげ。
ちなみに、主題歌がこれ。
301 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/20(火) 17:53:31
いあ!いあ!我は求む、胸に旧神の印を抱きて!
我が誇り、激烈たる奔流よ、わが敵を撃て!
蕃神の光輝に満たされし深淵より
我が為に来たれ!強壮たるものよ!
いあ!いあ!我は手にしたり、汝の輝ける器を!
百万の光輝もて世界を満たすべし!
蕃神の光輝に満たされし深淵より
我が名において来たれ!強壮たるものよ!
いあ!
ちなみに、本スレのほうではすでに (V)o\o(V) の人が哄笑とも、呪詛とも、雄叫びともつかない奇怪な声をあげる第二話まで投稿されています。こちらもなかなかに宇宙的恐怖な話。
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