「あんたたちは立派な男だった。たいした野郎どもだった」
エドモンド・ハミルトン“眠れる人の島”
短編集/翻訳:中村融/創元SF文庫
『本書は『反対進化』に引きつづいて贈る、奇想作家ハミルトンの傑作短編集、幻想怪奇編である。楽園のような孤島に漂着した男が出会った一人の美少女。彼女は、この島のすべてが<眠れる人>の見ている夢だというのだが……驚愕の結末が待つ表題作をはじめ、太古の神殿を発掘中の一隊を襲った幻想的な事件を描く「蛇の女神」、見つめることで相手を病気にし殺すことさえできる力を持った一族との闘いの顛末「邪眼の家」など、ロマンティシズムに満ちた5編を精選収録した。』
キャプテン・フューチャーで知られるエドモンド・ハミルトンの幻想怪奇ものと秘境冒険ものを集めた短中編集。「スペオペの人」的な印象の強いハミルトンの意外な一面が見られます。中篇「生命の湖」以外は。
「生命の湖」は、食い詰めはみだし野郎の寄せ集め探検隊がアフリカ奥地の秘境を目指す骨太の秘境探検もので、生き生きとした(≒乱暴な)キャラクターたちが魅力的。すごくストレートにパルプ小説。他の短編が幻想怪奇なのに、これだけノリがキャプテン・フューチャー。実際、後のキャプテン・フューチャー『脅威!不死密売団』のベースになった話ですが、個人的にはこちらのほうが勢いがあって好きです。おすすめ。
「あばよ、ダチ公ども。こんなイカシた連中と旅をしたのははじめてだったぜ」
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