朝松健『旋風伝 レラ=シウ』
『明治二年五月。新政府軍の猛攻にさらされて陥落寸前の五稜郭から、一人の青年が蝦夷の大地に降り立った。志波新之介、一六歳。上役である土方歳三の壮絶な最期を目の当たりにしながら、一人生き残った新之介は、敗残兵として新政府軍に追われる身となる。土地に生きるアイヌ達と交わり、追っ手やそこに巣くう魔と戦ううち、新之介は総裁榎本武揚が隠したとされる軍資金十八万両の噂や、それにまつわるスペンサー・カービンの謎に絡め取られていく。はたして北の果てに新之介を待つものは?血と硝煙とならず者。男の誇りをかけたノンストップガンバトルアクション、ついに文庫で登場』
昔々、ぼくがまだ中学生だったころ――具体的に言うとハウザー艦長がシモーヌ経理部長の結婚をぶち壊しに銀英殿に乗り込んだころ――朝日ソノラマの小説雑誌「獅子王」誌では戊辰戦争後の北海道を舞台にしたガンアクションありホラーありのマカロニウェスタン伝奇時代劇小説が不定期連載されていました。中学校の図書室に入荷していた「獅子王」誌でそれを読んだぼくは、そのあまりに密度の濃い物語にぐいぐいひきこまれていきました。ですが、それからまもなく「獅子王」誌は休刊。そのあとを受け継いだ「グリフォン」誌もわずかに一年半ほどで廃刊となり、もはや続きは読めぬものとあきらめるしかなかったのです。
その『ノーザントレイル』が『旋風伝 レラ=シウ』と名を変えソフトバンクGA文庫でついに完結!!
十五年待たされましたが、それだけの甲斐はありました。良い作品でした。
……って、何?4年も前にソノラマからハードカバーで出版されてた?んな話初めて聞きましたよ!
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