サミュエル・R・ディレイニー他『ベータ2のバラッド』
短編集/翻訳:若島正・他/国書刊行会
『アンソロジー〈未来の文学〉第一弾は、若島正選による〈ニューウェーヴSF〉傑作集。失われた星間船〈ベータ2〉に伝わる歌には数奇な運命が隠されていた……天才ディレイニーのみずみずしい初期中篇「ベータ2のバラッド」、奇想とW・バロウズがミックスされたベイリーのNW的異色作『四色問題』、第二次大戦後ドイツが勝利した世界で静かなサスペンスが展開するロバーツ『降誕祭前夜』、ラスヴェガスを舞台に男と女のぎらぎらした欲望を熱気溢れる文体でえぐりとったエリスンの最高傑作『プリティ・マギー・マネーアイズ』、ウェルズにオマージュを捧げたスタイリッシュな佳品、カウパー『ハートフォード手稿』。そしてボーナストラックとして『タイム・マシン』の原型になった中篇『時の探検家たち』(H・G・ウェルズ)を特別収録。奔放初訳4篇を含む全5篇+1!』
ニューウェーブSFの短中編集。まったく異なる方向性の作品が6編もそろっているので、さまざまな嗜好の読者にオススメできる一冊です。好き嫌いの激しい人でもどれか一本くらいはヒットするでしょう、多分。
とはいえ、ぼくが一番気に入ったのが比較的オールドファッションなリチャード・カウパーの「ハートフォード手稿」だったあたり若干説得力に欠けるかしら?
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