ハリイ・ハリスン『大西洋横断トンネル、万歳!』
1972年/翻訳:水嶋正路/サンリオ文庫
『1212年、ナバス・ド・トロサの戦いでキリスト教徒が敗れていたら――本書は、こうした歴史的仮定にもとずく「パラレル・ワールド」テーマの傑作とされている。イベリア半島は回教徒に占領され、アメリカ発見はコロンブスでなくキャボットがなしとげ、独立戦争に敗北したワシントンは謀反入として銃殺され、現在のアメリカは貴族の支配するイギリスの植民地に止まっている。ワシントンの末裔であるアメリカ人技師ワシントン大尉は新工法を駆使して大西洋の梅底にトンネルを建設するよう大西洋横断トンネル会社から委託される。真空のトンネル内を列車が磁気の反発力で猛スピードで疾駆するという計画である。大尉は工事を成功に導いて大西洋両岸の産業を活気づけ、女王陛下を説得してアメリカを独立に導く悲願を抱いている。完成を妨害する組織の暗躍、全トンネルの計画者サー・イザンバードの大尉に対する嫉妬、彼の娘と大尉の困難な愛――まさに超弩級の娯楽作である。』
スチームつながりというわけではないけれど、つみっ放しになっていた『大西洋横断トンネル、万歳!』に手をつけました。
レコンキスタに失敗してイベリア半島がイスラム教勢力圏のままになった現代(といっても30年ばかり前)の物語。失敗に終わったアメリカ独立戦争の指導者の子孫である主人公ワシントン大尉が、苦難を乗り越えてヨーロッパとアメリカ大陸とを結ぶ大西洋横断トンネルを開通させる物語。
全体にヴィクトリアンな雰囲気が漂う(でも列車は原子力動力で、大西洋横断トンネルは真空のチューブの中をリニア移動)活劇。面白いけれど、入手がとんでもなく困難なのが難ですね。
ブラベッジ・コンピューターってなんだろうと思ったけれど、よく読んでみればつまりバベッジ・エンジンのことか。
というわけで、このあとはバベッジ・エンジンつながりで、ディファレンス・エンジンを読みました。
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