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2006/09/12

マイク・レズニック&マーティン・H・グリーンバーグ編『【短編集】シャーロック・ホームズのSF大冒険(上・下)』

1995年/翻訳:日暮雅通/河出文庫

『世界初の、SFミステリとファンタジーを題材にした書き下ろしホームズ・パロディ短編集。現代SFの有名作家二十六人が一遍ずつ書き下ろした二十六編の魅力的なアンソロジー。過去・現在・未来・死後の四つのパートで構成され、ホラーなどの要素もあって、作家それぞれの持ち味が楽しめる多彩で盛りだくさんな胸躍る傑作集。』

『ホームズ・シリーズの生みの親アーサー・コナン・ドイルの娘である故ジーン・コナン・ドイルの公認を受けた、世界初の書き下ろしSFミステリ・パロディ短編集。ホームズのファンにもSFミステリのファンにも楽しめる、二十六人の有名作家による二十六編の競演。異星人、タイム・トラベル、コンピュータ・ホログラムなど、過去・現代・未来・死後のホームズを堪能できる名作ぞろい。』

 ニヤリとできる粒ぞろいの良作が二十六編。
 過去・現在・未来・死後の四つのパートからなるアンソロジーで、登場するのがホームズでさえあれば(人間でなくてもかまわない)、どんな設定でも許されているので、文字どうりの何でもあり
 過去編で、とくにネタかぶりはなかったのですが、ホームズの同時代作品や実在人物とのクロスオーバー物が多かったのですが、あの時代のロンドンは物語的にものすごくおいしい時代だったんだなぁと思いました。階差機関のバベッジ卿。ルイス・キャロルと不思議の国のアリス・リデル。ドリアン・グレイにフィリアス・フォッグ、ジキルとハイドに吸血鬼ドラキュラ、タイムマシン、おまけにフー・マンチューまで。何でもありありだ。

 特に気に入ってるのは、過去編では「ロシアの墓標」。モリアーティの研究論文とあの時代の大事件を組み合わせた大スケールの短編。
 現在編の「脇役」は、それのみでごくスタンダードなミステリとして通用しそうな作品でありながら、上手いことシャーロック・ホームズをキーに持ってきた良作。
 未来編、「シュルロック族の遺物」の駄洒落好きの『シャーロック』が魅力的だったので彼と彼のワトソンの続きを読みたいな。
 続きを読みたいといえば、ジョージ・アレック・エフィンジャーの「マスグレーヴの手記」があそこで終わりなのは許されませんよ。今からでも遅くないのでエフィンジャーは続きを書くべきです!(←とっくに故人です)

 SF好きで(心が広めの)シャーロッキアンにお勧め。

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