ジャック・ヴァンス『竜を駆る種族』
1962年/翻訳:浅倉久志/ハヤカワ文庫
『はるかな未来、人類最後の生き残りが住むさいはての惑星エーリスでは、風雲急を告げていた。バンベック一族の住むバンベック平を幸いの谷の一族カーコロが狙っていたのだ。異星の爬虫類種族を育て、さまざまな竜―阿修羅や金剛や一角竜から成る軍隊に仕立てたバンベックとカーコロは、まさに一触即発の状況。しかも、エーリスを狙う爬虫類型の異星人ベイシックが襲来しようとしていたのだ!名匠のヒューゴー賞受賞作。』
長く入手困難だったジャック・ヴァンスの代表作がついに復刊なりました。
はるかな未来の最果ての惑星での「竜を駆る種族」と「人を駆る種族」の戦い。そしてそれに関わる『人間』の物語。魅力的な異世界の描写、理解できない相容れることのできない異物としての存在を見事に描き出しています。
浅倉氏が苦戦したという翻訳も素晴らしく、たとえば竜の品種を表わす「羅刹」「金剛」「阿修羅」「韋駄天」「一角竜」「青面夜叉」といった訳語や時代小説がかった文体などが雰囲気を盛り上げます。
やっと復刊なったこの機会に是非手に取ってください。絶対に損はさせません。
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