スチュアート・デイヴィッド・シフ編『マッド・サイエンティスト』
1980/翻訳:荒俣宏・他/創元SF文庫
『毒々しい色の薬品を納めた試験管の列とパチパチと電気火花を飛ばす異形の機械装置に囲まれて、とびきりの美女が縛り付けられた実験台を前に、不気味な笑みを浮かべる一人の科学者。邪恋と権力欲、そして科学の進歩という大義に理性を失ってしまったこの男、マッド・サイエンティストは、古くから作家たちの格好の題材となってきた。本書は、この偉大なテーマを扱った数多の作品の中から、怪奇恐怖小説の第一人者シフが選び出した、傑作中の傑作十七編である。恐怖の連続に、あなたは耐えられるか!?』
ああ、面白かった。
タイトル通りの、パルプ的マッド・サイエンティストをテーマとした恐怖小説アンソロジー。収録されている17編の短編はバリエーションが豊かなので、どんな趣味の人でも楽しめると太鼓判を押せちゃいます。
ホラー方向にはそれほど恐くないのが玉に瑕かしら?
個人的に、一番ユニークだったのがロバート・ブロックの「ノーク博士の謎の島」、一番恐かったのがヴァンス・アーンドールの「シルヴェスターの復讐」、一番印象的でもの悲しかったのがリー・ワインシュタインの「箱」でした。
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