サイモン・アダムズ『写真が語る第一次世界大戦』
豊富な画像と簡潔かつわかりやすいテキストの『「知」のビジュアル百科』シリーズの一冊。このシリーズに外れはほとんどありませんが、その中でも珠玉の一冊。人類最初の総力戦である第一次世界大戦について、開戦から終結までを豊富な写真資料で解説しています。
塹壕に張られた鉄条網について語られたページで英軍とドイツ軍のワイヤーカッターが並べられていたのですが、こんなものでさえ(もしくはこんなものだからこそ)設計のコンセプトに両国の思想の違いが見えて興味深い。
地味に、これはひどいと思ったのが、
・警告標識
(ぼろぼろの板に『DO NOT STAND ABOUT HERE.』と書いてある)
前線では、常に頭を低くしていなければならないが、兵士たちは砲弾に慣れてしまうため、警告の看板があちこちに見られた。
……末期的だ
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コメント
う、なんか生々しいなぁ。
投稿: ふ~ちゃん | 2007/03/02 01:05
すっげく生々しいです。
ほかにも、クリスマス休戦(クリスマスに現場が勝手に休戦して、両軍一緒にクリスマスを祝った。両軍の「連隊」代表同士のサッカーの試合が行われたり、プレゼント交換をしたりした)の話を一通りしたあとの、締めの一文が「しかし一年後には両軍の歩哨に対して、また同じようなことをしようとするものは射殺せよという命令が下された」で鬱に入ったりしました。
戦争はろくなモンじゃない。
投稿: Johnny-T | 2007/03/02 23:11