タニス・リー『銀色の愛ふたたび』
2005年/翻訳:井辻朱美/ハヤカワ文庫
『ある日、貧しく孤独な少女ローレンは、地震で崩れかけた施設で、少女とロボットの恋を描いた一冊の本を見つけた。そのときからこの本はローレンの宝物となり、シルヴァーはまだ見ぬ恋人となったのだ。やがて17歳になったとき、驚くべきニュースが伝えられた。META社が人間そっくりのロボットを発売するというのだ。すべてを投げだして、ローレンは発表会場のあるシティへと向かう…名作『銀色の恋人』待望の続篇。』
ロマンスがメインの前作に対して、本作はガジェットSFとしての色が濃いめ。
序盤は、主人公を前作(銀色の恋人)と正反対のキャラクター性のヒロインに置き換えて前作のストーリーを焼き直してるだけのように感じられてそれほど面白いとは思っていなかったんですが、一章の終盤、モスクワ行きの列車の中で事件が起きるあたりから俄然面白くなってきます。
個人的には面白かったですが、前作の読者の中には本を引き裂かずにいられない人もいるだろうなぁと思える話でもありました。この辺は好き嫌いが出そう。
二作のヒロインの奇妙な共通点(二人とも形は違えど「人工的」な出産であるということ)に気がついてちょっと驚いた。つまりこのシリーズのテーマは実は人工的に作られたもの同士の恋だった?
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