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2007/12/29

岩村忍『暗殺者教国―イスラム異端派の歴史』

『ニザリ・イスマイリ教国を奇怪という言葉だけで片付けるわけにはいかない。暗殺を政治手段とするこの王国は、10世紀末から13世紀央まで、バグダードのカリフ朝に拮抗する宗教的権威をもった。武力的・政治的にはセルジューク帝国と対抗し、世界の3分の2を当時席捲したモンゴル帝国とも敵対した。つまりこの暗殺者教国は、決して一時的、変則的現象とはみなせないのだ。ならば、この教国の奇怪な活動の基底には何があったのか―その全貌に迫る』

 暗殺という手段を用いて、イスラム圏だけではなく遠くキリスト教圏までその名を響かせたニザリ・イスマイリ教国。その歴史と思想を語る本。アサッシンを擁するニザリ・イスマイリ教国それ自体よりも、戦乱の西アジアにおけるモンゴルとイスマイリ派の情報戦のような、周辺国家との関わりようが興味深かったです。
 内容的には面白かったのですが、時系列や話題が章ごとにころころ入れ替わるので、前の章の連続として読み薦めてから、あわてて前のページに戻って年代を確認することがしばしば。日本人にはちょっと分かりにくい人名や地名、地理関係のフォローがほとんどないのもこまりもの。せめて地図は入れようよ。
 ただ、欠点をふまえたうえで、内容自体は非常に面白いので一読の価値はあります。読みにくいけど。
 図表を大量追加した再編集版とか出ないかしら?

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