« 今日の読了本『世界を旅した女性たち―ヴィクトリア朝レディ・トラベラー物語』 | トップページ | 二つ名メーカー »

2008/01/23

D・ミドルトン『世界を旅した女性たち―ヴィクトリア朝レディ・トラベラー物語』

『長いスカートと日傘で鎧い、19世紀末の大英帝国から海の彼方へ飛び立ったレディたち。その多くは、もはや若くもなく健康でもなかったが、人生の後半に「本当の自分」を冒険旅行の中に見いだした。彼女たちを旅へと駆り立てたものは何か?七人七様の願いをこめて、自分探しの旅が始まる―。』

 19世紀、女性が「家庭の無垢な天使」でなければならなかったヴィクトリア朝イギリスを飛び出し、世界を旅した女性達の活躍を描く一冊。
 この本では七人のレディ・トラベラーを4つの章に分けて解説しています。

・世界を駆ける
イザベラ・バード・ビショップ:もっともドラマティックな女性旅行家
マリアンヌ・ノース:世界各地で830点余の花を描く
・女性闘士
ファニー・バロック・ワークマン:夫妻で自転車旅行、カラコルムの登山家
メイ・フレンチ・シェルドン:探検隊を率いて東アフリカへ
・神に仕える
アニー・テイラー:禁断のチベットを目指す
ケート・マーズデン:シベリアのらい病患者のもとへ
・海の冒険者
メアリ・キングズリ:西アフリカで「魚と物神崇拝」を研究
(紹介文は帯からの引用)

 彼女らは出自も動機も千差万別で、女性の権利を主張する最先端の「ニューウーマン」もいれば、逆にその行動力からは想像できないほどに保守的な人もいました。
 レディ・トラベラーの中でもかなりアクティブな部類のメアリ・キングズリが、伝統的なマナーを重んじて本国では決して乗り合いバスに乗らなかったり、婦人参政権に反対してもいたというのは、現代人としてはなかなかに理解しにくい感覚です。

 そのメアリ・キングズリの章が、ぼくらのイメージしやすい冒険家していて一番面白かったです。
 密林を探検中に原住民の落とし穴に落ちて、伝統的な分厚いスカートのおかげで命拾いをしたエピソードなどまさに冒険小説を地でいっています。(そう、レディ・トラベラーたちはハイカラーのブラウスと長くて分厚いスカートの下に、本国にいるときと変わらない下着をつけてさえいたというのだから恐ろしい。あの鎧のようなコルセットまで!

 冒険家にして英国淑女なレディ・トラベラー達の旅は一読の価値があります。


……あとね、本屋で頭のページを読んで『ヴィクトリア朝』『レディ・トラベラー』『長いスカート』とか見た瞬間メアリ・シェリー(嘘屋の方の。リアルのメアリ・シェリーは19世紀前半の人)が頭に浮かんでしまうような人にもお勧め。つーかぼくですが。
 いろいろとイメージが膨らみます。なるほど西亨の人はこうなんだな。


|

« 今日の読了本『世界を旅した女性たち―ヴィクトリア朝レディ・トラベラー物語』 | トップページ | 二つ名メーカー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/63442/17799013

この記事へのトラックバック一覧です: D・ミドルトン『世界を旅した女性たち―ヴィクトリア朝レディ・トラベラー物語』:

« 今日の読了本『世界を旅した女性たち―ヴィクトリア朝レディ・トラベラー物語』 | トップページ | 二つ名メーカー »