峰守ひろかず『ほうかご百物語』
『「いきなりで悪いけど、あなたの血、吸ってもいいかな」高校生で美術部員の僕は、夜の学校で銀色に輝く瞳を持つ不思議な少女に出会う。少女の正体を“イタチ”だと見抜いて吸血(!)の難を逃れた僕は、その夜、彼女とある『約束』を交わす。翌日。美術室に現れたイタチ少女は、僕に告げた。手遅れになる前に約束を果たしに来た。約束を果たすその日まで、僕のことを守ってくれる、と。一守るって、一体何からっ!?
ピュア可愛いイタチさんと僕の、ちょっと不思議な放課後物語。第14回電撃小説大賞“大賞”受賞作登場』
学校で起きる妖怪事件に、知恵(マニアック)と勇気(そこそこ)と愛(あふれだしてる)で立ち向かう美術部員たちの大活躍(誇張表現)。
大変マニアックな妖怪ものですが、ストーリーにかかわるものやマイナーなものには作中できちんと解説されるので妖怪変化に詳しくなくても安心して読めます。つい昨年までイタチが妖怪にカテゴライズされるということをまったく知らなかったレベルのぼくでも大丈夫。片耳豚(かたきらうわ)なんてはじめて聞いたけど大丈夫。
……せんせー、次からは巻末に妖怪辞典とかつけてくれるとうれしいです。水木しげる先生の本に時々付いてるようなやつ。
本編中の伏線の張り方があまりにも巧妙すぎます。小豆とぎや静か餅はともかく、「テスト明けの勢いでついコスプレ」のシーンまで伏線であったとは!?
お気に入りは、扱いが悪いけど愛されてる生徒会長と追い込まれると弱い産休教師の稲葉先生。じつに……いぢめたい。
がんばれ稲葉先生、来期はきっと権力者を篭絡できるよ……いや、やっぱり無理そうな気がするなぁ。ところで、タイトスカートはいいものですよ?
| 固定リンク
コメント
おお、ありがとうございます! しっかり読んでいただいたようで、感謝の言葉もありません。
コスプレ云々って伏線だったかなあと二十分ぐらい悩みましたが、ああ、そういうことか! うんうん確かに伏線です。
あと、タイトスカートはいいものです。あれはあくまで彼の意見であって私の思いでは断じてないことを強調しておきます。あれはいい。
※今日の妖怪豆知識
片耳豚:股をくぐられると「子供が作れなくなる」って伝承もあるけど、生々しいので使わなかったとか。
投稿: エム | 2008/02/18 00:22
楽しく読ませていただきましたー。
>妖怪豆知識
……おおお、おっかねぇ。ぼく沖縄には行かないぞぅ(ガクブル)
投稿: Johnny-T | 2008/02/22 00:04