夕べ、某所(つーかミクシィの某氏の日記のコメント欄)で、
「マスクド上海楽しみだねぇ」
「マスクド上海楽しみだねぇ」
「まあプレイしている時間はないけどな!」
「俺もプレイしている時間はないけどな!」
という話をしてきたわけですが、その流れのなかで作品の舞台になる1938年の出来事(レンズマン第一作が出たばかりで、ジョン・キャンベルJr.がアスタウンディング編集長になった次の年で、バットマンがデビューする前の年で、オーソン・ウェルズが『火星人襲来』のラジオドラマで騒動を引き起こした年)についてちょっと話題に出ました。
そんなわけで、ひさしぶりにオーソン・ウェルズの「例の」ラジオドラマを聞きたくなったので、ハードディスクをひっくり返して件の音声ファイルを発掘。
(こちらからダウンロードできます:The War of the Worlds)
この伝説のラジオドラマ、大パニックを引き起こしたということで有名なんだけれど、冒頭や中盤に「ラジオドラマですよー」という宣言がきちんと入ってるんですよね。他のチャンネルでは通常のプログラムを放送してたわけですし。いくらなんでもパニック云々は都市伝説のような気がするんだよなぁ。
毎度、このラジオドラマを聴く上で非常に役に立つのが、数年前に古本屋で購入したペーパームーン誌の増刊「 SFスペースファンタジィ完全保存版」です。何しろこの本には「火星人襲来」のシナリオ翻訳が完全掲載されていますから。おかげで英語力に自信のないぼくでも安心。
この本、刊行が1978年……『あの夏、銀河帝国軍は俺たちの街に攻めてこなかった』次の年です。というのはつまり、「未知との遭遇」と「スター・ウォーズ」というSF大作映画が同時に日本で公開された年なんですよね。若造のぼくには想像すらできませんが、世界がまさにこれ一色(いや二色か)に染まっていた雰囲気が紙面から滲み出ていて、それらの空気をリアルタイムに味わえた先輩たちがちょっとうらやましい。
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コメント
>SFスペースファンタジィ完全保存版
>「火星人襲来」のシナリオ翻訳が完全掲載
ああっ、それ欲しい!
件のドラマ、噂だけで中身を聞いた(読んだ)ことがなかったのですよ。ウェルズの原作を実録ドキュメンタリー風に直したって話はどこかで読んだ気がするのですが。
あ、教えていただいた音声ファイルはありがたくDLさせていただきます。
>この本、刊行が1978年
成る程。かくしてセンスオブワンダーの心意気は連綿と受け継がれ、そして2008年の「マスクド上海」へ繋がるわけですね。素晴らしい。
(その流れだったら「セレナリア」の方が相応しくね?)
投稿: エム | 2008/03/12 03:08
>ああっ、それ欲しい!
ええ、これは本当によいものです。どこかの本に再録されるといいんですけどねぇ。
>ウェルズの原作を実録ドキュメンタリー風に直した
例の「SFスペースファンタジィ」にその関連で面白い話が載っていたので引用。
(「火星人襲来」の脚本家)ハワード・コックに、ある日オーソンは、H・G・ウェルズの『宇宙戦争』を実況放送にアダプトした脚本を指示することになる。
コックはこの英国のSF古典をアメリカの現代にうつす際、実際に使用できるのは火星人の侵略というテーマと、火星人やその兵器の描写以外にはないことを知っていた。つまり、まったくのオリジナルを次週の日曜までの六日間で書き上げなければならなかったのである。
コックは、オーソンの相棒であった(ジョン・)ハウスマンに電話して、企画を変更してくれるよう頼んだ。しかし。ハウスマンはオーソンと相談した後、すぐに電話をかけてきた。答えは決定的に「ノー」だった。これは、オーソンの特に気に入った企画だったのである。
オーソン・ウェルズマジ外道。
この脚本家のハワード・コックはこの作品がプロの劇作家としてのデビュー作でして、このあまりにも壮絶なデビューの直後に手がけたのが名作「カサブランカ」です。
投稿: Johnny-T | 2008/03/16 22:54