伊藤章治『ジャガイモの世界史 歴史を動かした貧者のパン』
『南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡のころ、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ』
大航海時代、南米ペルーから持ち出されたジャガイモがどう世界へ広がっていき、それぞれの土地でどう活躍したのかを解説した本です。
どちらかというとジャガイモという植物・食物そのものの歴史よりも、ジャガイモと人類がどんなふうに関わってきたのかという方にウエイトが置かれています。ジャガイモに関わった様々な人たちの人生の物語が面白い。
本の内容も面白かったですが、ぼくがこの本を知った銅大さんのブログで、この本といっしょに紹介されていた『古代ローマ帝国の帝政初期のヨーロッパにジャガイモが存在していたら?』という思考実験も非常に興味深く、面白いものでした。こちらもお勧め。
ちなみに、この記事は夜食代わりの焼きジャガイモをかじりながら書きました。
ジャガイモ(゚Д゚)ウマー
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コメント
科学やら歴史やらの考証や設定については。
たとえば古いスペオペでは堂々と科学的に間違った記述をしているように。
間違ったなら、間違ったで、堂々としておればいいとゆーのが私の見解です。
いわゆる、TRPGでルール間違っても「とりあえず今日はこれでいこう」とやるようなものです。その作品の中では、堂々と間違えばよいと考えております。
どうもこう、設定や考証は「間違ってはいかん」と思いこんでしまう結果、「設定や考証はやらない」ようになるのは、よろしくなかろうなぁ、と。
設定や考証は、間違おうが、程度が(専門家からは)低かろうが、それはそれで楽しい、わくわくするものだと思うからです。
ちなみに私、小学生の頃からウルトラマンに出る怪獣の設定には凝り性でした。
投稿: 銅大 | 2008/06/16 23:59
>間違ったなら、間違ったで、堂々としておればいい
>どうもこう、設定や考証は「間違ってはいかん」と思いこんでしまう結果、「設定や考証はやらない」ようになるのは、よろしくなかろうなぁ、と。
うっ!あいたたたっ(胸に何かが突き刺さった様子)
>設定や考証は、間違おうが、程度が(専門家からは)低かろうが、それはそれで楽しい、わくわくするものだと思うからです。
>ちなみに私、小学生の頃からウルトラマンに出る怪獣の設定には凝り性でした。
学生時代、仲間と集まって映画やアニメを見る機会が多かったので、“科学的に間違った”設定が出たときにそれを正当化する理論・理屈を無理やり考える遊びなんてのを時々してました。してましたというか、駄弁っていたらいつのまにかそうなってたという感じですが。あれは楽しかったなぁ。
設定に凝る話で思い出しましたが、映画『インデペンデンス・デイ』をさんざん見つづけたぼくと仲間たちの間では、『ID4』の物語終了時点でスイスがかなりの強国(少なくとも航空戦力的にはぶっちぎり)になっているというのが定説です。
何しろDVDの特典映像などで確認できる円盤の進路を見ると、どうもスイスはエイリアンの攻撃を無傷でしのいだ(というかどの円盤もスイス上空を通過するような進路をとっていない)っぽいので。
まさかスイスが世界の覇権を握る日が来るとは!
投稿: Johnny-T | 2008/06/21 22:48