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2008/10/06

ロバート・R・マキャモン『ブルー・ワールド』

『妻と寝たはずなのに目覚めると隣に骸骨が横たわっているのを発見した男。往年の怪奇俳優の化粧箱に隠されていた秘密。新興別荘地のハロウィーンの命がけの仮装ごっこ。内も外も真っ赤な家に住む不思義な一家。ポルノ・スターに魅入られた若き神父。乗る人を待つばかりのスポーツカーのように軽快なストーリーテリングが絶妙』

 XuerenさんのアメコミLEGO日記(mixi)で「アメコミ者は必読」と紹介されていた短編「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」を読みたくて購入しました。

40年前、連続活劇でグリーン・ファルコンというヒーローを演じていた老人。
今では安アパートで、過去のスクラップブックを眺める毎日。
ある日、隣室の友人の娼婦が殺される。
最近世間を賑わしている切り裂き魔の仕業だった。
今まで殺害されたのもホームレスなど、底辺に暮らす弱者ばかり。
警察は何もしてくれないだろう。
犯人の顔を見た彼は、古ぼけたグリーン・ファルコンの衣装を纏い、夜の町に犯人を追う。

Xuerenさんの日記より引用)

 マキャモンを読むのはこの本が初めてなのですが、一番手の「スズメバチの夏」から一番後ろに収録されている中篇「ブルー・ワールド」までどれも傑作ぞろいです。後味の悪いホラーから読み口さわやかな青春ものまで、さまざまなバリエーションの作品を巧みに描ききる腕前には感心するのみです。畜生、どの短編も文句の付け所がないよ。
 その中でも特にお気に入りなのが、刑務所に住む魔術師の話「キイスケのカゴ」、不思義な一家と若者の物語「赤い家」、年老いたヒーローの一夜の復活を描いた「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」、そして表題作、ポルノ・スターに恋をした若き神父の新しい人生「ブルー・ワールド」。どの話もそれぞれの形でぼくを感動させてくれました。泣きも入ったぜ。

 とにかくね、アメコミ者は「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」を読むべきです。そして泣こう。

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コメント

おおっ。読まれていなかったとは意外。
謎の見張り男の正体とか、もぉ(笑)
マキャモンは『少年時代』もよかったですよ~

投稿: xueren | 2008/10/07 09:04

>おおっ。読まれていなかったとは意外。

……ウチね、じつはね、怖い話アカンねん(目を逸らしながら)

 古典ホラーは問題ないんですが、モダンホラーはほら、すごい怖いのがあるじゃないですか。すげぇ怖くて読むのが辛くてたまらないのに、文章が無茶苦茶うまくて、読むのが辛いのにページから目が離せないようなの。具体的にはジャック・ケッチャムとかジャック・ケッチャムとかジャック・ケッチャムとか(ジョニ助さんは「隣の家の少女」で心に大きな傷を受けたようです。割とマジで)
 だもので、「モダンホラーの大家」マキャモンはちょっと敬遠してました。だって怖そうじゃないですかー!
 今回触れてみてケッチャム的なアレでないことが分かったので、安心して読めるようになりましたよ。さあ、読むぞー!

>謎の見張り男の正体とか、もぉ(笑)

 あれは泣きました。そりゃぁ泣けるさ、せがれよ。

>マキャモンは『少年時代』もよかったですよ~

 イエッサー、早速探してみます。他の本も読むぞー!

投稿: Johnny-T | 2008/10/07 23:59

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