笹本祐一『ミニスカ宇宙海賊(パイレーツ)』
『宇宙ヨット部の部活や、レトロ喫茶店でのアルバイトに忙しい元気印の女子高生・茉莉香は、突然、死んだ父親の部下だと名乗る二人の男女から、宇宙海賊船弁天丸の船長就任の要請を受ける。一世紀前、独立戦争のどさくさの中で発行された私掠船免状によれば、船長の死んだ海賊船の存続は、直系の継嗣による世襲が絶対の条件らしいのだが――。新シリーズの痛快スペースオペラ、華麗に登場』
女子高生宇宙海賊ものというから「星のダンスを見においで」の続編かと思ったのですが、残念ながら直接的な関係はない様子です。「海賊航路」や「銀河帝国」といった微妙にどこかで聞いた覚えのある用語、それに中盤主人公が試射する銃器の描写を見るとお馴染みの笹本ワールドではあるようですが。もしかするとスターダスト・シティの面々くらいは出てくるかも(願望)
『たう星系』の『海明星(うみのあけほし)』や『砂赤星(すなのあかほし)』という語感はかなり好きです。そういえば、大元帥の銀河乞食軍団は復刊しないのかな?
今回は主人公が海賊船船長の座を継承するまでの話。にぎやかな女子高生たちと宇宙海賊のちょっとしたバトル。あのヨット部の面々を主人公にした女子高ヨット部ものスピンオフも読んでみたい気もします。
あと、最後の最後で海賊側が選択する思い切りが良すぎる選択が大好きですよ。
「メイン動力さえ動いていれば、あとはなんだってできますよ。コンピュータだって宇宙船の部品の一つでしかないし、ないならないで、やることだいぶおおざっぱになっちゃうけど、できないわけじゃない」
<関連>
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……レーベル的なターゲットはどの辺りに設定してるんだろうねぇ。少なく見ても20代後半以降?
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