エリック・ガルシア「さらば、愛しき鉤爪」
『おれの名前はヴィンセント・ルビオ。ロサンジェルスが根城のケチな私立探偵だ。
つまらない仕事のかたわら、謎の死を遂げた相棒アーニーの死因を探っている。そんなおれを<評議会>がけむたがっているのは承知の上だ。
ところでおれは、人間じゃない。人間の皮をかぶり、人間にまぎれて暮らしているヴェロキラプトル――恐竜だ。
ああ、それにしても昔はよかった・・・・・・。
世界中で熱狂の渦を巻き起こした恐竜ハードボイルド、ついに登場!』
や、面白かったですよ!
現代に恐竜が生きていたという頭の悪い(誉め言葉)コンセプトと派手な派手なアクション、ハードボイルドなかっこよさと真面目に構成された謎解きを高いレベルで融合させた素晴らしい物語。これはまったく面白い。
あと、久正人の「ジャバウォッキー」が始まったばかりの頃に、みんながこの作品の名前をあげていた理由がちょっとわかった。あれは、単に人間世界に生きる恐竜の物語という部分だけを見ての話じゃなかったんですね。話に似たところはないけれど、空気がちょっと似てる気がする。
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