« 今日の読了本 『荒野のホームズ、西へ行く』 | トップページ | 今日の無限航路 »

2009/06/21

スティーヴ・ホッケンスミス 『荒野のホームズ、西へ行く』

『仕事にあぶれたおれたち兄弟はふとしたきっかけで鉄道会社に雇われ、鉄道保安官の職に就くことに。荒野に出没する強盗団から列車の乗客と鉄道会社の財産を守るのだ。ところが、乗りこんだ急行列車にはワケありの乗客と怪しげな荷物が満載。はたせるかな、サンフランシスコ目指して列車が走り出したとたん、手荷物係が何者かに殺害された。もちろん、かの名探偵の魂を宿す兄貴のオールド・レッドが、この事件を見逃すはずもない。体調不良にもめげず、さっそく調査と謎解きに乗りだすが……痛快カウボーイ探偵が、愛馬を列車に乗り換えて大活躍』

 名探偵シャーロック・ホームズに憧れる兄グスタフと、ワトソン役の弟オットー。カウボーイのアムリングマイヤー兄弟が無法の大西部で怪事件に挑む。ウェスタン・ホームズシリーズの第二弾が登場ですよ。
 今回の舞台はシカゴ・オークランド間を走る特別列車パシフィック・エクスプレス。サンフランシスコに向かう車内で発生した謎の殺人事件。乗り合わせた乗員乗客はどいつもこいつも一癖も二癖もある曲者ぞろい。しかもこの列車は強盗団に狙われていて……。
 推理あり、アクションあり、ロマンスあり、男たちのドラマもあり、もちろんホームズネタもそこかしこに仕込まれてるぞ。面白さ満載の盛りだくさん。主人公アムリングマイヤー兄弟がいつもの絶妙のコンビネーションを見せてくれます。ピンチの連続に兄弟の絆で立ち向かえ!
 撃ち合いありチェイスありと派手目のイベント目白押しの展開は実に画面栄えしそう。映像化してくれないかなぁ。

 ピンカートン探偵社の老エージェント、若い頃にはダイムノベルのモデルとしてもてはやされたこともある男バール・ロックハートがいい味を出しています。古い、荒々しかった西部のやり方しか知らないカウボーイ探偵。世界の変化に取り残された時代遅れのヒーロー。この物語は彼の物語でもあります。

関連:スティーヴ・ホッケンスミス『荒野のホームズ』

|

« 今日の読了本 『荒野のホームズ、西へ行く』 | トップページ | 今日の無限航路 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: スティーヴ・ホッケンスミス 『荒野のホームズ、西へ行く』:

« 今日の読了本 『荒野のホームズ、西へ行く』 | トップページ | 今日の無限航路 »