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2009/06/07

スター・トレック

公式サイト

 素晴らしい!情報という情報を片っ端からシャットアウトしておいてよかった!
 新しいキャプテン・カークの冒険は、旧作のファンにもこれが初スタトレの人にもお勧めできる素晴らしいスペースオペラでした。娯楽SF映画かくあるべし!いやもう、どのシーンを切り取っても素晴らしいのですよ!!
 巨大宇宙船とUSSケルヴィンの激戦の中、誕生する一人の男の子。という印象的なイントロシーンからはじまる若きカークとスポック、そしてマッコイの冒険と友情の物語。
 アクションありメカありコメディあり。危険な惑星での巨大生物との追いかけっこもあり!それらが旧作をイメージした、それでいて古臭くはない丁寧な演出でぼくらを楽しませてくれます。
 旧作ファンへのサービスもそこかしこに仕込まれていて、しかもそれがイヤミじゃない。トレッキーの人もそうでない人もみんな見に行くのがよいよ!
 新しいエンタープライズとともに星の海に漕ぎ出そう!!


……ああそうだ、あとで親父にメールしておかなくちゃ(←親子二代トレッキー)

 以下ネタバレ

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 若きキャプテン・カークの物語。
 というから、素直に若き日のジェイムズ・T・カークの冒険を歴史年表から切り出したようなストーリーなんだろうなーと思っていたんですよ。それが……それがっ!やってくれましたよエイブラムス監督!なんて見事な舞台設定!なんて素敵なパラレルワールド!
 我々の知るスタートレック世界から、ある事件で分岐してほんの少しだけ別の歴史をたどった、まったく新しい23世紀が今回のスタートレックの舞台なのです。
 そしてその分岐を引き起こすのが……。

 さて、そんな新しい世界ではありますが、とはいえこの時点ではまだそれほど大きく世界が変わったわけではありません。だから、新鋭戦艦エンタープライズ(!)のクルーもどこかで見たような……というかオリジナルメンバーです。本当にありがとうございました。
 折りたたみ式の刀でチャンバラをこなすスールー(ミスター・カトー)。コンピューターが音声認識できないくらいにロシア語訛り丸出しのチェコフ。意外なところからやってきたスコッティは機関部を駆け回りながら大活躍。ドクター・マッコイは登場シーンからして「飛行機はイヤなんだ……」ですよ。
 旧シリーズのキャラ設定を忠実に継承しつつ、その設定をシーンに上手く絡めて活かしているのが本当に素晴らしい。旧作を知っているひとなら「やっぱりこいつはこうでなくっちゃ!」と肯けるように、これが初めての人も「こいつは“こう”なんだな」と納得できるように、丁寧に描写されています。

 そういえば、旧シリーズとのリンクといえば、アレがありました、アレ。若きカークの伝説の悪行ですよ!つまり、"コバヤシマル"!
 "コバヤシマル"試験が出てきたときには、ファンサービスキター!としか思ってなかったのですが……ごめん、見くびっていたよエイブラムス監督。この事件がカークとスポックとの最初にぶつかり合う理由になるとは!しかも、これでカークが停学になって身分がフリーになるから主人公的ムーブがさせ放題になる!なんて美味しい事件なんだ"コバヤシマル"試験。

 ファンサービスであり、ストーリー上の必然でもある人物。未来のスポック役としてレナード・ニモイも出演しています。彼と若スポック役のザカリー・クイントが会話するシーンは新旧スポックの引継式という風情でちょっと目頭が熱くなりましたよ。
 でもね、レナード・ニモイがすっごいお爺さんになっていたことにちょっとびっくりですよ。ほら、ネクスト・ジェネレーションのゲスト出演(よく考えたら20年前だよ)のときとかもずっとあの顔だったからさ、役柄のこともあってあんまり年をとるようなイメージが無くって……。


 最後の最後、エンドクレジットに入る直前。エンタープライズの新たな出航にあわせてあの台詞が入る演出がたまらない!

 宇宙、それは最後のフロンティア……

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» 映画「スター・トレック」(2009年、米) [富久亭日乗]
  ★★★☆☆  テレビのSFシリーズをJ.J. Abrams が監督、 James T. Kirk とSpockの 若き日のエピソード。 原題は「Star Trek」。        23世紀。 惑星連邦軍艦隊の優秀な艦長であった父を 誕生時に亡くしたJames T. Kirk(Chris Pine)は、 宇宙艦隊アカデミーに入隊、 Christopher Pike 大佐(Bruce Greenwood)が 艦長を勤める USS Enterprise 号に乗船する。 非論理的で人の言うことを聞かな... [続きを読む]

受信: 2009/06/08 08:57

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