富永浩史・速水螺旋人『小説馬車馬戦記 ディエンビエンフー大作戦』
『ソ連空軍のパイロット、マーシャ・カルチェンコ大尉は、ベトミンを支援する軍事顧問団の一員として、インドシナ戦争真っただ中のベトナムへ送り込まれることとなった。ベトミン防空軍が根拠地とする中国南部でマーシャを待っていたのは、複葉練習機タイガーモスと大戦中の連絡機シュトルヒのコピー生産機。この旧式機2機が防空軍の全航空機だという……。だが、スターリンの命令とあれば、乗らざるをえない。時代遅れの機体を駆って、マーシャがベトナムの空を飛ぶ! お堅い政治委員、ベトナム美女、残留日本兵、さらには元ドイツ空軍、フランス空軍の外人部隊パイロットも登場だ。マーシャの、ベトナムの未来をかけた戦いが、今始まる!!』
や、おもしろい!素晴らしい!富永浩史と速水螺旋人の組み合わせは最強じゃないのか?文章を読んでて自然に『絵』が思い浮かびますよ。
『速水螺旋人の馬車馬大作戦』収録の漫画「パルスジェットのフラミンゴ」の主人公、ソ連の女性パイロット、マーシャ。灼熱のアフリカでインスタントパルスジェット戦闘機を乗りまわした彼女の新たな戦場はベトナム!舞台が変わってもマーシャの「いい笑顔」は最強です。
インドシナ戦争真っ最中のベトナムに、ベトミン空軍を教育するための軍事顧問として赴任するマーシャだが、そこに待つのは旧式の複葉機(富永浩史め、また複葉機を出しやがった。グッジョブ!)がたったの2機。それも練習機と連絡機。飛行機も燃料も人材もないこんな状態で空軍育成なんてなにをどうすればいいんじゃー!!
とりあえず表紙を見てくださいよ。まさにこの通りのにぎやかな航空冒険小説です。歴史の裏で繰り広げられるマーシャの危機また危機(やや誇張)の空戦物語。巻末に登場飛行機のイラスト一覧や関連年表(ネタバレアリなので注意)もついてくるので、飛行機や歴史が苦手な人でも安心ですよ。
コンセプトは「劇場版」とは作者本人の弁でありますが、まさにその通り。有名ゲストや歴史イベント、あの飛行機やこの飛行機、にぎやかなお祭り。『馬車馬戦記』登場のあの連中まで出てきたときには大笑いしてしまいましたよ。
さあ、富永浩史&速水螺旋人の次の作品も読みたいぞ!
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