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2010/01/03

大樹連司『ほうかごのロケッティア』

『何もかもが、順調なはずだったオレの学園生活。あの電波女が来るまでは――。「私の“友達”を宇宙に返して!」電波女に弱みを握られたオレに与えられたのは「携帯電話を人工衛星にする」というばかげたプロジェクト。高校生が自作ロケット?ほかに行き場のない連中の現実逃避だろ!?オレの心配をよそに、ひと癖もふた癖もある連中が集まり、ロケット製作が始まった。カウントダウンの先にあるのは、バカげたドリーマーの自爆行為か、教室という箱庭からの脱出か――。青春と妄想をのせたロケットが今、宇宙へ「リフトオフ」する!』

 夢中で読んでました。どれくらい夢中かというと、薬缶を火にかけていたことを忘れるくらいに。
……やばかった。

 空にもロケットにも興味なかったのに成り行きで衛星軌道まで届くロケットを作ることになった少年と周りの人々の青春群像劇。
 ロケットが飛ぶための理論・理屈をあっさりと流しつつ(でも解説すべきことはしっかりはっきり分かりやすく解説)、それぞれの過去を背負った少年達の青春を繊細に描く青春ロケット小説。
 夏の青空を真っ二つに切り裂いて飛ぶロケットのイメージが鮮やかで綺麗。宇宙やロケットに憧れたことのある元少年はマスト読むべし。そして、宇宙にもロケットにも興味のない現少年にも読んでほしい。大丈夫、難しいことなんてなにも書いてないから。
 各章のタイトルが分かりやすくテーマを物語っていてニヤリ。あと、作中でも散々アピールされていますが、読む前でも後でもいいから『王立宇宙軍』を見て欲しいですね。

「Give me a GO,no Go for Launch!!」

 

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