架神恭介・辰巳一世『よいこの君主論』
『マキャベリの名著『君主論』を武器にクラス制覇へと乗り出した小学五年生のひろしくん。だが、彼の前に権力への野望を持つ恐るべき子供たちが立ち塞がる。『君主論』はひろしくんを覇王へと導くことができるのか?小学生の権力闘争を舞台に楽しく学べる『君主論』。クラスを牛耳りたい良い子のみんなも、お子様に帝王学を学ばせたい保護者の方も、国家元首を目指す不敵なあなたも必読の一冊!』
よいこは『君主論』なんか読まないけどな。
マキャベリの『君主論』を、覇権を握るための姦計を謀る小学生たちの仲良しグループ同士の争いを例にとって説明した本。小学生の日常にありふれた出来事をモチーフにマキャベリズムを解説するというコンセプトはお見事。確かに小学校は、乱世の日々だ。終わりの会はスペインの宗教裁判よりもひどいものでした。読んでいて楽しい本です。
ぼくは『君主論』は未読なので、どの程度元の本の内容に正しく沿っていて、どれくらい分かりやすく解説しているのかについては分かりませんが。オリジナルを読んでみようと思わせる力は確かにあります。
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コメント
同作者の「全国観光ガイド」を見る限りでは、若干の誇張がある作風の方なのかもしれませんね。
http://guide.cagami.net/akita.shtml
秋田県人の県民性を語る上で欠かせないのが「なまはげ」と呼ばれる食人習慣です。これは秋田県独自の子弟教育制度であり、子供たちを立派な鉱夫に育て上げることを目的に行われるものです。
投稿: おぞん | 2010/03/09 01:35
>若干の誇張がある作風
確かにテクスチャーで遊ぶ傾向はありますね。まるでスペインの宗教裁判のように演出される『帰りの会』とか。
ただ、「君主論」を解説するというコアの部分については適正にやっている印象を受けました。
投稿: Johnny-T | 2010/03/10 21:06