今日の読了本『狼の時(下)』
・ロバート・R. マキャモン『狼の時(下)』
『砂嵐が吹き荒れる灼熱の大地。砂漠の狐ロンメルはヒトラーの望んだ戦利品・スエズ運河をめざしていた。勝利は目前だった。ところが、テントでの作戦会議を終えた将校たちは、緑色の眼をした黒い狼に襲われる。ほとばしる野性と冷徹な知性をあわせもつ獣はナチスの機密書類を奪い砂塵の彼方へ消えた…。ホラー小説を越えた新境地を切り開く異色長編(上)』
『英国軍少佐として特別な指命をうけたガラティンは人狼だった。ロシアに生まれたガラティンは、革命の嵐の中、幼少にして天涯孤独の身となる。少年は、狼と人間の血を引いた人狼に拾われる。細菌に冒され、脳の中の野性が目覚め、肉体までもが変容する人狼。少年は過酷な試練に耐え、彼らに全てを学び、イギリスに渡った……(下)』
人狼伝説とスパイ小説を組み合わせたまったく新しい(89年当時)アクション小説。英国諜報部員としての使命を受けた狼男がナチスドイツを相手に縦横無尽の大活躍。
それと平行して少年時代の彼がどのようにして“狼男”になっていったのかが描かれる二重構造。
ホラーとスパイアクションと青春小説の要素を絶妙のバランスで配合したマキャモンならではの作品。面白かった。
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