« 初詣、初映画 | トップページ | ちょっと山奥の温泉宿に行ってくる »

2012/01/06

今日の読了本『竜の卵』

・ロバート・L・フォワード『竜の卵』
『紀元前50万年、太陽系から50光年離れた星域で中性子星が誕生した。超新星爆発の怖るべきエネルギーによって、秒速30キロ、すなわち一万年に一光年というかなりな固有運動を与えられた中性子星は、一路近くの隣人、太陽系へと向かったのである……。そして2049年、探査宇宙船セントジョージ号は、<竜の卵>と名づけられたこの中性子星の周回軌道に乗り、観測を開始しようとしていた。だが、直径20キロにみたぬこの中性子星上に、まさか知的生物が存在しようとは!?最新の科学理論を駆使して、人類と中性子星人とのファースト・コンタクトを描く、ハードSFファン待望の書!』

 今年の初読書。辰年なのでこの本からスタート。コードウェイナー・スミスの『鼠と竜のゲーム』とどちらにするかちょっと迷った。

 地球の670億倍の重力を持ち、表面温度は8千度、その時点速度は0.2秒で、1兆ガウスの磁場に覆われている中性子星<竜の卵>の表面に発生したわずか3ミリの知的生命チーラ。
 彼らの生命サイクルは人類の100万倍、我々の40分が彼らにとっての70年に相当する!

 人類と中性子星に住む異星人類とのファースト・コンタクトと、原始チーラ社会から発生した文化が発展し一つの世界を形成するまでの年代記、そんな二重構造を持つ物語。その二つの軸の絶妙なリンクが素晴らしい。

 原始時代の、収集癖のあるチーラが「数を数える」という概念を発見し、「数字」を発明するあたりの展開が好き。なるほど原始人の思考だ。

|

« 初詣、初映画 | トップページ | ちょっと山奥の温泉宿に行ってくる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今日の読了本『竜の卵』:

« 初詣、初映画 | トップページ | ちょっと山奥の温泉宿に行ってくる »