J・W・キャンベルJr.他『クトゥルフ神話への招待 ~遊星からの物体X』
『人類の神のイメージとなった<旧支配者>が太古に地球を征服し、それに準ずる神々も存在した。いまは地下や海底や異次元で眠っているかれらは復活のときを狙っている……。極地で見つかった謎の生物との壮絶な戦いを描いて三度も映画化された名作「遊星からの物体X」。映画『エイリアン』『プロメテウス』の原型にあたる「クトゥルフの呼び声」。さらに「恐怖の橋」「呪われた石碑」「魔女の帰還」などラムジー・キャンベルの未訳中短篇五本を収録した、待望のクトゥルフ神話アンソロジー!』
映画新作『遊星からの物体X ファーストコンタクト』にかこつけたアンソロジー集。
“かこつけた”というのは、7編の収録作品のうち、メインテーマである(はずの)J・W・キャンベルJr.の新訳『遊星からの物体X』と、ジャンルのザ・代表作H・P・ラブクラフト『クトゥルフの呼び声』の2編以外は全部ラムジー・キャンベルの連作短編という実にわかりやすく男らしい構成だから。
無論、これについては非難しているわけではありませんよ。国内で紹介されることの少ないキャンベルの短編がまとめて5篇も読めるんだから文句などあろうはずもない。
7編のどれもが良い作品ですが、その中でも今回のお気に入りは、『スタンリー・ブルックの遺志』。軽い口当たりだけれど、かすかに残る毒がいい。
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