今日の読了本『ラプラタ沖海戦』
・ダドリー・ホープ『ラプラタ沖海戦』
『1939年12月、第1次大戦の名将の名を冠したドイツのポケット戦艦アドミラル・グラフ・シュペーは、必死の追撃を繰り広げるイギリス海軍に南米ウルグアイの中立港へと追い詰められていた。数日前、ラプラタ河口で英巡洋艦エクセターを撃破したものの、グラフ・シュペーは自らも傷つき、中立港モンテビデオに退避していたのだが……第2次大戦初期、苛烈な戦闘と劇的な最後で知られるラプラタ沖海戦を鮮烈に再現する傑作戦記』
第一次世界大戦で列強が得た戦訓と戦間期にレーダー提督が立てた海軍戦略の方向性から、通商破壊工作に適した単艦行動が可能なポケット戦艦の建造に至るまでの過程。グラーフ・シュペー出航後のドイツ・イギリス両陣営の各種記録による複数視点の検証。等々、マクロな視点に立った戦史としての構成は、同じく通商破壊戦に従事した姉妹艦アドミラル・シェアの航海を描いた『ポケット戦艦』(著者は艦長のT・クランケ)がシェアが出航してから帰港するまでの一人称視点で、少年向け冒険小説的なノリなのと好対照。
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