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2016/01/12

ガールズ&パンツァー劇場版

公式サイト
冒頭八分無料配信

 福島での上映も始まりましたし、連休も終わったし、そろそろ多少のネタばれは許される頃合いでありましょうよ?

 TVシリーズで見事全国制覇を果たし廃校のピンチを脱したはずの大洗女子。だが、彼女らの戦いは終わっていなかった!なぜなら廃校処分は撤回されていなかったからだ!
 まさかの廃校決定→即時廃校処分というありえないピンチ……というか大敗北。皆が絶望に暮れる中で、あらゆる手段を駆使して生徒会長が手に入れた大洗女子が廃校を免れるただ一つの道。それは、強力な戦車と優秀な搭乗員をそろえた大学選抜チームに大洗チームが勝利すること。敵は30両、味方はわずか8両!
 より強大な敵を相手に西住みほ率いる大洗戦車道チームはどう戦うのか!?という、劇場版にふさわしい派手なステージ設定。
 そしてピンチに集結するかつての強敵たち。「待ったー!」から始まるライバル校の参戦はBGMと相まって、さながらスカイライダーのピンチに颯爽と現れる栄光の7人ライダーのごとし。
 個性的なキャラクターと戦車の特性をめいっぱい活かした戦車戦闘。いやもう、新キャラも含めてあれだけ人数が多いのに、それぞれにしっかりとキャラを立てて、それぞれに見せ場を与えて、それが全く破たんしてないのがすごい。
 TVシリーズでは尺の都合もあって戦車が強いだけ、数が多いだけなのではないかという疑念の余地があったライバルたちが、それぞれに個性的なその優秀さを存分に示してくれるのもうれしい。
 我々の見たいものがいっぱいに詰まった素晴らしいお祭り映画でした。これが本当の最終回であり、責務から解放された大洗戦車道の新たな始まり。
 

……同じ映画を映画館で4回も見たのなんて初めて。(仙台2回、東京1回、福島1回)

<以下ネタバレ>


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 何とか文章にまとめようと頑張りましたが、言いたいことが多すぎて無理でした。というわけでほとんど箇条書き。

●エキシビジョン
 冒頭から戦車の激闘をガンガン見せてくると同時に、新旧のキャラクター紹介や後半に向けての伏線をガンガン突っ込んでくる。ただ見ても楽しいし、考察の材料も山ほど入ってる。すごい情報量。
 各チームメンバーの成長。とくにチームプレイで活きるカモさんや地道に力をつけるアリクイさん、サブリーダー的な任務を任せられるレオポンさんといった後半参戦メンバーの描写がうれしい。

 チハタンの突撃バカっぷりとうさぎさんチームの慢心からの失態といったギャグに見せかけた課題の提示。

 大洗戦術への対策を速やかに構築する聖グロ&プラウダの強力タッグの強さ。カチューシャのカバーリングで勝負が決まるのも後半への布石かな。

 タイトルが出る前の行進で三式がちょっとよたってチハタンに迫られてるのはモモガーの腕か車体重量の問題か

 クルセイダーに命中した桃ちゃんの初撃破シュート。ローズヒップが飛び込まなければチャーチルに当たってた可能性も?距離があるとはいえ、75ミリ長砲身を車体後方に受ければ一発逆転はありうるわけで……。意外にも「真打登場!」だったのか。本当に。
……と思っていたが、よく見たら弾道もクルセイダーもチャーチルの右側にだいぶ寄っていた件。

 カーベーたんへの「これでもくらえー」攻撃。アヒルさんは命中してるけど、福田車ははずしてる。

●廃校
 花壇の世話をしながら新三郎に報告する華さん、採りたてのひまわりの種を食べてる。

 秋山殿のエプロンが家で引っ越しの準備をしているときはピンクで、合宿所では迷彩グリーン。おうちのは秋山ママのチョイスか。

 合宿所に入るシーンで、2カットそれぞれに手を繋いでる女の子がいる(重要)

 戦車を積んだスーパーギャラクシーの離陸の時にねこにゃー、ももがーが念力を送ってるのがかわいい。

 校門の銘鈑を盗んだり身だしなみについて麻子に説教されるくらいに落ちぶれるヤサグレ風紀委員のTV版では見られなかった姿。そしてついにやってきた麻子のデレ!ありがとう!

 飛んでくるスーパーギャラクシーに気が付いた時の、珍しいサキの驚く顔。
 そしてギャラクシーから戦車投下されたときのゆかりん通信機はどこから!?まあ、なんでも出てくる秋山ポケットなら軍用通信機が入っていてもおかしくはないわけですが。
 
 TV版を見てた頃は、あの文科省のお役人の「昔は戦車道が盛んだったようですが~」は、「まだ完全に望みがなくなったわけじゃないんだよ。ほんのわずかだけど希望がないわけじゃないんだ」という助け舟なのかと思ってましたがそんなことはなかったぜ。

 みほの帰省とおねえちゃん。みほの好きな戦車が二号戦車であるという設定が、その由来が、まさかあんなにきれいに描かれるとは!
 回想シーンの、今の彼女たちのイメージとは少し違うみほまほ。彼女らが今の彼女らになった過程を考えると……。
 そして、サントラを聞いたら、あのシーンのBGMタイトルが「2号戦車が好きです!」でまた涙。


●VS大学選抜
 決戦前夜に自動車部がルールブックを確認してたのはエンジン規定の確認だったのかも。

 お姉ちゃんのちょっと上ずった「待ったー!」からの正義超人大集合の格好良さは上で述べた通りですが、
「勇敢なる鉄獅子22両、只今推算いたしましたー!」
「あなたのところは6両!」
 のダー様のらしくないお怒りっぷりはちょっと意外。そんなにヘイトを貯めているのか西隊長!?付き合い自体はそれなりに長そうだもんなぁ。
 というのを踏まえて、西隊長の「紅茶って飲んだことないんだよな」発言を振り返ってみると、ここでいう「紅茶」は単なるドリンクとしての紅茶ではなく、聖グロリアーナが好敵手と認めた相手に送るというトロフィーとしての「紅茶」のことではないだろうか?ここでダージリンにいいところを見せようという西隊長の熱意が空回りして「勇敢なる鉄獅子22両!」になってしまったのではないか!?
……と思ったりもしたけどやっぱりただのドリンクの話っぽく聞こえるんだよなぁ。

 部隊名の「ひまわり」「あさがお」「たんぽぽ」。TV版のイメージソング『それゆけ!乙女の戦車道!!』の歌詞に「起動輪はひまわり 誘導輪はたんぽぽ」という部分があったのは覚えてたのでそれ由来のチョイスかと思ったけど、確認してみたら朝顔もドングリもなかったよ。

 作戦名決めるときのダー様の「ここが重要なんだけど」が実にダー様。

 律儀に冬将軍とか突撃とかパスタ黒板に案を書いてプルプルする桃ちゃん(字がきれい)
 でもお姉ちゃんの「ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦」を「長い!」と一刀両断できるのは桃ちゃんだけだよな。
……黒森峰の皆さんは作戦名とかどうしてたんだろう?止める人いなそうだけど。

 「ごっつん」な作戦名にお姉ちゃんが肯定的でショボンのエリカがかわいい。

 作戦会議のいるだけスナフキン。自発的発言がないのはいいとして、ほかのみんながそれぞれに反応を返してる「~離れすぎないようにしてください」の時もこいつ頷きさえしねぇ。
 一方、うつむいたまま「はーい」って言うしょんぼりエリカかわいい。でもこれがあるから遊園地の「頼むぞエリカ」で尻尾ブンブンなエリカが映えるわけで。

 シュトゥルムティーガーの写真を見せる秋山殿のドヤ顔。
 敵がカールと気がついてキラ顔の秋山殿。
 秋山殿が幸せそうで何よりです。

 パーシング発見後、接敵距離をさらりとヤードで報告するダーさまに惚れざるを得ない。
 このシーン、車内に戻って車長席に正座で収まり、クルーに指示を出す一連の動きがきれいで印象的。

 とくにセリフはないけど、アリサ車の装填手ちゃんの動作が実にあざとい。ありがとう。

 プラウダの連中が盾となってカチューシャを逃がすシーンはやはり涙腺に来る。
<戦車道は安全に配慮された競技です>
 とくに、これまで全く役に立った描写の無かった"頼れる同志"KVたんの「街道上の怪物を舐めるなー!」が。

 クラーラについては、中の人のイメージのせいで普通に日本語わかるよね?という思い込みがあって、実は日本語が流暢ということが判明した時の驚きは「日本語をしゃべれないふりしてたんだ!?」というものでした。
 そのつもりで見ると大浴場での「肩まで浸かって百まで数えて」に対して即座にロシア語でカウントを始めたのは日本語のヒアリングはばっちりですよという演出だったのかも。

 一人になったカチューシャに今は自分たちが仲間だと声をかけるレオポン、アリクイの両チームは対プラウダの試合には参加してないんだよね。

 西部劇ステージのスタージェス調BGMに、もしやこれは荒野の七人ならぬ戦車の7校ということなのか!と気がついてカウントしてみたら8校だった件。
 アリクイさんに撃破された車両の転輪がタンブルウィードのように転がる演出イイネ!

 よく考えると、ナチュラルにバレー部語を理解できるようになっている福田ちゃん。そんなにアヒル殿になついて大丈夫か?

 ジェットコースター上でのチェイス
 いくら優勢だからってわざわざレール上まで上がってくるのはちょっと調子に乗りすぎだろう(一週目)
例の画像を見て大学選抜の状況を認識
 そうか、数的不利の大学選抜側としてはCV33を撃破したのちにその場所を確保して領域統制をやりたかったのか。それなら2台送り込む理由もわかる。(二週目)
 というか、結果的にCVが一周回ってきたから挟み撃ちになっただけで、2台目のチャーフィーはチェイスの間GPS役をやっていたのかも(三週目)

 TV本編で筋力不足で撃破されたアリクイさんが、その反省を生かしたトレーニングの末に筋力過多で撃破されるという驚愕の展開。 加減しろ莫迦!

 秋山両親はゆかりハチマキを身に着けての応援。この作品、全体に愛情表現が下手なご家族が目立つから秋山さんご一家の仲の良さは安心する。

 大洗の勝利が宣言されてもしれッとした表情のローズヒップ。彼女はあくまでもダージリンの犬としての参戦で、大洗の勝利自体に対する思い入れはあまりなさそう
 一方、その後方でお茶してる大学選抜のお姉様方とクルセイダーのクルーはそれぞれに表情豊か。真ん中の子はガッツポーズしたのかと思ってたけど、ティーポットを引いただけか。

●その他
 戦車に戦車を乗せることにすっかり慣れたなぁ大洗チーム。
 とくにカモさんB1はチハを押したりCV33を乗せて行ったりとキャリアーのイメージ。ヘッツァーには乗ったけど。

 知波単学園。西殿の九七式はダー様の射撃を適切に回避するし、VS選抜では、パーシング隊に対して砲撃の半数は命中させてるし、アヒルモード後の特殊戦闘の緻密な動きを正確にこなしてるし、技量自体はハイレベルだよね。
……だが突撃。

 演習で時間を気にするアリスにバミューダが「何か約束でも?」と聞いてるけれど、試合中に「隊長が歌い出した!」と喜んでいるということはこれまでに何度か戦闘中にボコのテーマを歌ったことがあるわけで。ということはアリスのボコ好きは周知の事実なわけで。アリスがボコの番組を見たがっているのを知っているけど知らんふりで応じてるバミューダ。アリだな。

 劇場版は立体駐車場ちゃんことルクリリさんのやられ芸の進化も印象的でした。
 やられ方が目についてしまうけど、エキシビジョンではゴルフ場のピンチを生き残ってるし、VS選抜に連れてきてもらえるし、最終局面まで生き残ってるし、腕は確かだよね。カメラはほとんどあたらないけど。
 発言が「くっそー!」で「馬鹿め!」でちょっと乱暴なのは聖グロっぽくないように感じるけど、ティーカップの扱いはローズヒップより上手そう。キューポラから頭を出して紅茶を飲んでるのはやっぱり聖グロ生徒だよな。

エルヴィン&グデーリアンとニーナ、ヤクパン子とヘッツァー組、アヒルさんとルクリリ、ローズヒップ&クラーラといった因縁のある組の掛け合いも見たかったけど、その辺は円盤にOVA「エンカイウォー2」が付くものと期待したい。

 フィンランドイメージの継続高校の代表がまさかのスナフキン&ムーミン&ミイのムーミン谷のトップアナーキストがモチーフのキャラになるとは全く予想できなかった。
 そして映画本編で継続さんたちと直接会話したキャラが一人もいない問題について。
 彼女らが外部の人間の話題に出るのがどんぐりチーム編成のための呼びかけと「継続ちゃんたち聞いてたー」と「継続さんが頑張ってくれました」の三回のみで、彼女らから外部に話しかけるのが「継続高校から転校してきましたー」と「みなさんの健闘を祈ります」の二回のみ。いずれも受け答えなしというディスコミュニケーションっぷり!
 まるでスピンオフ作品の主人公が本流作品へゲスト出演をしたかのような演出ですが継続高校チームは劇場版が初出のキャラクターです。

  最後の帰路につく車中のアンツィオ高校可愛過ぎる問題。歌いながら走る彼女らに被るスタッフロールが楽曲関係のパートというのが洒落てるね。

 学園艦に最初に反応するのがそどこなのは彼女の視力2.0の目によるものか。
 そして彼女らが学園艦に到着する前に終わっているのが良いなと思う。

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