シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
映画版『キャプテン・アメリカ』3作目にして、マーベル・シネマティック・ユニバース……何作目だ?
『アベンジャーズ2』の事件で大きく変わってしまった、もはや無邪気ではいられなくなった世界でのヒーローたちの姿を描く。
いや……良かったな。どこを取っても良かったけれど、特に良かったのは、あれだけのヒーロー客演映画で色々盛り込んでるのに、アベンジャーズ3ではなくきちんとキャプテン・アメリカの映画であること。
今回の悪役は妙なチート能力なしできちんとした頭のいい陰謀を企てて、丁寧にそれを実行してくれるのが非常に好感度高い。終盤の「どうしてここでそんな雑なことしちゃうの!?」というのですら実は策のうちであったという周到っぷり。洗脳でも暴走でもなく、それぞれがそれぞれの立場・信念・善意で最善を尽くした結果として対立を深めるヒーローたち。自身の行動が自信を追い込む情勢の中で、もはやヒーローたちを待つのは激突の未来だけなのか!?
メンバーそれぞれが抱えるものの大きさ重さに猛烈なギスギス空気が漂う本作において、清涼剤として大いなる救いをもたらしてくれるのがチーム・アベンジャーズ新入りのアントマンとスパイディ。かつていろいろやらかしちゃった前科もちおじさんことスコット・ラングと熱意はあるけどまだまだこれからの新米ピーター・パーカー。経験しすぎたのと経験が足りないのの彼ら二人がユーモアを添えることで、そのままでは重すぎるシリアス地獄も安心して観られるようになりました。
シナリオ的にもアクション的にも見どころ一杯の本作は文句なしの傑作です。
<以下ネタバレ>
とはいえスコット!アントマンがジャイアントマンになるのはやりすぎだ!それ自体はいつかやると思ってたけど、やるとしてもアントマンのシリーズでだと思ってた!客演なのにサービスしすぎだよ!
ところで、今回映画初登場のアフリカンヒーローブラックパンサーさんなんですが……ぼくが彼の話をする時は大抵このテーマについての話題ですまないと思っているのですが……やっぱりティチャラマン作中で一度もブラックパンサーって呼ばれてなくね?
今回も「アベンジャーズ アッセンブル!」のコールはなかったな。アベンジャーズシリーズでも執拗に「アッセンブル!」コールの描写を避けてるからここぞという時のために取ってるんだろうけど。
……実のところ、今回のアベンジャーズ内部対立のタイミングで初「アッセンブル!」を持ってくるんじゃないかと危惧してたのよね。スタッフがそんな悪趣味でなくて本当に良かった。
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