ゴブリンスレイヤーの元ネタについてのお話(第7巻)
『ゴブリンスレイヤー』の作中に登場する小ネタの元ネタについて。
あくまでも個人の推測によるものです。もし間違いや欠落にお気づきの際は遠慮なくコメント欄で指摘してください。
際限がないので一般名詞化したRPG用語の多くとネットスラングなどの定型文に由来するものはあらかた無視しています。
※このページには蝸牛くもの小説『ゴブリンスレイヤー』のネタバレがあります。
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・七巻全体について
この巻の構成は映画『地獄の黙示録』及びその原作に当たる小説『闇の奥』の影響が大きい。
・愛はさだめ さだめは死
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの短編SF小説及びそれを表題作とする短編集『愛はさだめ、さだめは死』に由来する。
ただし、詩の本文は『ロードス島戦記』『ロードス島伝説』になぞらえたものか?
・竜(ドラゴン)には手を出すな
「油断するな。迷わず撃て。弾を切らすな。ドラゴンには手を出すな。 ――ストリートの警句」
TRPG『シャドウラン』のキャッチフレーズ。
・女子供は動きが鈍いからというお話
『地獄の黙示録』と同じくベトナム戦争を扱った映画『フルメタルジャケット』の代表的な会話シーンに由来。
「女子供も殺ったのか?」
「時々な」
「よく女子供が殺せるな」
「簡単さ、動きがのろいからな。ホント、戦争は地獄だぜ!HAHAHAHAHA!」
・かみきり丸、南の川へ
C・S・ルイスの小説『ナルニア国ものがたり』シリーズの三巻『朝びらき丸 東の海へ』。
・半森人(ハーフエルフ)の英雄が仲間たちと共に竜の槍を巡って戦っている。戦記の一場面であろうか。
まさにマーガレット・ワイスとトレイシー・ヒックマンの 手によるファンタジー小説『ドラゴンランス戦記』の一場面であろう。
・聞けば依頼を請けたのが間違いだったなんて言うではないか
2ちゃんねる卓上ゲーム板困ったちゃんスレで報告された失敗セッションでのGMの発言に由来。
>終わったあと何を間違えたのか聞いたら、
>「依頼を受けたのが失敗でしたねw」
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/72.html
・隣り合わせの死と青春
ベニー松山による『ウィザードリィ』小説『隣り合わせの灰と青春』。
・レルニアン・ヒュドラ
ローグライクゲーム「変愚蛮怒」のモンスターらしい?
・図書館で目星をつけるお話
『クトゥルフの呼び声(クトゥルフ神話TRPG)』の情報系技能【図書館】【目星】は重要であるということ。
・ジャングル・クルーズ
ディズニーランドの人気アトラクション「ジャングル・クルーズ」
・乾坤一擲の大戦、全身全霊尽しても尚も勝たせぬ神など祈る価値なし、と
映画『コナン・ザ・グレート』より。タルサ大王の軍勢にただ二人で立ち向かうコナンが大戦を前に神クロムに対して捧げた祈り。
「クロムよ、俺は祈ったことがない。祈りの言葉すら知らぬ。今までの戦いは何の為の戦いだったのか、それは誰もわかる者はいないだろう。そんなことはどうでもいい。俺達は二人だけで邪教の者と戦う。命を捨てて立ち向かう。この俺の勇気をほめてくれるならば、力を貸してくれ。復讐を遂げさせてくれ!
もし守ってくれなければ……二度とは拝まんぞ!!」
・俺は音を立てずにゴブリンを殺す方法を八つは知っている
『今夜は、音をたてずに人を殺す八つの方法を教授する」ジョー・ホールドマン『終わりなき戦い』より。
・これから向かうのは闇の奥だ
・闇の奥(ハートオブダークネス)
ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』(原題:Heart Of Darkness)。この小説は映画『地獄の黙示録』の原作でもある。
・「それに動かすためには鍵がいるやもしれませぬしなぁ。青い飾り紐だとか」
『ウィザードリィ』。昇降機(エレベーター)の鍵は特定の施設のモンスターたちを突破して手に入れる「ブルーリボン」。
・「地獄だ、地獄だ。……なんてね」
映画『地獄の黙示録』及びその原作小説『闇の奥』のそれぞれのキーパーソンが最後に語る言葉「The horror! The horror!」(翻訳は「恐怖だ!恐怖だ!」と「地獄だ!地獄だ!」の二種類がある)に由来。
・「ここは一番、伝統的な手で行きましょうや」
「良いですかや。小鬼殺し殿が前衛、拙僧と術師殿が両脇、神官殿は野伏殿の後ろへ」
「その位置が一番敵の攻撃が届かぬ故、心配されるな」
よいかジェラール。
我々はインペリアルクロスという陣形で戦う。
防御力の高いベアが前衛、
両脇をジェイムズとテレーズが固める。
お前は私の後ろに立つ。
お前のポジションが一番安全だ。
安心して戦え。
『ロマンシングサガ2』の作中で最初に登場する「陣形」インペリアルクロス。バレンヌ帝国軍に伝わる由緒正しき陣形である。
・注視せねばわからぬほどの摺足で相手の攻撃線を外し、迫りくる敵を突き返す
断言するには少なからず勇気が必要だが……文脈から察するにレトロゲーム剣法「半キャラずらし」ではないだろうか。
・「地獄(ドゥーム)だ、地獄(ドゥーム)だ!」
・かつて≪転移≫の呪文を研究していた彼らは、ひとつの失敗を犯していた。
繋いではいけない場所――地獄へと≪転移≫の門を開いてしまったのだ。
コンピューターゲーム『DOOM(ドゥーム)』シリーズ。瞬間移動装置の研究中に偶然開いてしまった地獄へつながるゲートから現れる地獄の住人達と戦うファーストパーソン・シューティングゲーム。
・真夏の夜の夢
ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇『真夏の夜の夢』。
妖精が登場し、結婚式を巡る話であり、ホブゴブリンも登場する話。
・脅威、大戦、復讐、希望、逆襲、帰還で覚醒ですよ。
森の木陰でどんじゃらほいに終わる感じですから六巻でもよかったかもしれません。
映画『スターウォーズ』シリーズの日本公開版サブタイトル。エピソード6は森の惑星とそこに住む種族が大きな役割を担う。
#ゴブリンスレイヤー 元ネタリスト、とりあえずの叩き台ということで、間違いであっても必要な恥であると割り切ってちょっと怪しいと思うネタも残すようにしているのだけれど、さすがに今回は「コナンの祈り」とか「半キャラずらし」とかエスパーが過ぎると自分でも思う。 https://t.co/76c4lZYCqt
— Johnny-T (@clear_aether) November 24, 2019
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コメント
DOOMはゴブリンスレイヤーの
キャラデザ含めた元ネタでもありますね
ドゥームスレイヤー
7巻の舞台はホビットの冒険に出てくる
闇の森(ミルクウッド)ではないかと思われます
お師匠さん(ビルボ・バギンス)絡みで
樽に乗るものというワードも出てきますので
投稿: 名無しさん | 2019/11/28 18:12
ちなみにエルフの王子レゴラス(約3000歳)の
出身地でもあります 原作者がグレーターレゴラス
だのレッサーレゴラスだの言ってるのはあながち
投稿: | 2019/11/28 18:17
ありがとうございます。「ドゥームスレイヤー」と「樽に乗るもの」は見落としていました。
投稿: | 2020/02/02 23:13