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2023/07/15

ゴブリンスレイヤーの元ネタについてのお話(第9巻)

 『ゴブリンスレイヤー』の作中に登場する小ネタの元ネタについて。
 あくまでも個人の推測によるものです。もし間違いや欠落にお気づきの際は遠慮なくコメント欄で指摘してください。
 際限がないので一般名詞化したRPG用語の多くとネットスラングなどの定型文に由来するものはあらかた無視しています。
※このページには蝸牛くもの小説『ゴブリンスレイヤー』のネタバレがあります。

 


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・メモ
この巻の構成の一部はゲームブック『雪の魔女の洞窟』がモチーフになっている。
また章タイトルの約1/3はコンピューターゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズのBGMタイトルに、約1/3はゲームブックファイティング・ファンタジーシリーズのタイトルに由来する。残りの1/3は『ホビットの冒険』に由来すると思われるが、これが本編の内容によるものか、あるいは英語版あるいは新訳版(管理人未所持)の章タイトルによるものか確認を要する。


・破滅の予感
『ドラゴンクエスト』のBGM「はめつの予感」。


・「黒死病(ペスト)だの西方風邪だのでなければ良いがの」
四方世界でも我々の世界の黒死病(ペスト)・スペイン風邪に匹敵する伝染病被害が発生したということがうかがえる。


・怪物辞典(モンスターマニュアル)
『D&D』の追加データ集『モンスター・マニュアル』に由来


・さまよえる小鬼殺し
本編が「雪の魔女の洞窟」に由来することにちなんで同シリーズの「さまよえる宇宙船」をもじった可能性もある。


・味はともかく、長靴いっぱいというにはほど遠い量だ。
映画『風の谷のナウシカ』の作中、遭難し非常食として「不思議な味のする実」を食べた人物が「味はともかく、長靴いっぱい食べたいよ」と発言する。


・足取りも軽やかに
『ドラゴンクエスト』のBGM「足どりも軽やかに」


・霜の巨人
・氷神の娘
・原初の巨人
特定の神話あるいはファンタジー作品モチーフに依るものか?


・残念だが自分の冒険はここで終わってしまうのか
コンピューターゲーム『シャドウゲイト』のキャラクター死亡時のメッセージ「ざんねん!わたしのぼうけんは ここでおわってしまった!」バリエーションか?


・こうなったのも全部、氷の魔女のせいですわ
JR東日本が2013年~2014年冬シーズンに展開したスキーツアーキャンペーン「JR SKI SKI」のキャッチフレーズ「ぜんぶ雪のせいだ。」。
掲載時期に豪雪による大規模な交通麻痺が重なったためしばしばネタにされる。


・雷鳥だの雪男(サスカッチ)だのにたまに仲間が喰われるのは~
(保留)


・冬の時代
後述の雪男たちの歌と併せて「TRPG冬の時代」の暗喩の可能性があるだろうか?


・尾根と尾根の狭間、裂け目のような谷間に、いくつも穿たれた小さな巣穴。
 そのどれにも奇麗に塗られた扉がはめ込まれ、戸口から伸びた小道は文様のよう。
『ホビットの冒険』で描かれた小人族ホビットの住居がモデルだろうか?ホビットのモデルはウサギであると言われている。


・不断草の赤い根のスープ
つまりボルシチ。


・「お父さん、美味しいパイにされてしまったからね」
『ピーターラビットのおはなし』冒頭、母親がピーターたち子うさぎに注意を与える場面で父親がパイにされて食べられたことについて言及される。


・旅人のために自分から火に体を投じたうんぬん
仏教説話。老人を装った帝釈天に施しを求められたが何も与えるものを持たないウサギは、自ら火に飛び込み食物として捧げようとする。


・余甘子(アムラ)の茶
(保留)


・冬だ。冬だ。俺らの季節がやってきた。
トレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』を語った唄であろうか?
1995年ごろからのトレーディングカードゲームの流行とそれに影響を受けたとされる「TRPG冬の時代」(諸説あり)の到来を示す唄とも読み取れなくもない


・「彼女の名前は誰でもない(ノーマン)」
 「誰でもないにやられた!!」
古代ギリシアの長編叙事詩『オデュッセイア』のエピソードに由来。単眼の巨人ポリュペーモスの洞窟に12人の部下と共に閉じ込められたオデュッセウスは「誰でもない」を名乗り、計略で巨人に大きな打撃を与えた。


有史以来、巨人とは、只人の投石に弱いものなれば
旧約聖書サムエル記で語られる羊飼いダビデと巨人ゴリアテの戦い。ダビデの武器は投石機(スリング)であった。


・廃村の暗殺者
本編が「雪の魔女の洞窟」に由来することにちなんで同シリーズの「宇宙の暗殺者」をもじった可能性もある。


・卍型の刃を持つ邪悪な形状の短剣
『T&T』の「武器索引」でのアフリカ投げナイフの紹介文「四方に刃を伸ばした、信じられないほど見た目の邪悪な武器で~」


・フライパンから火の中へ、か
英語の格言で『jump out of frying pan into the fire』。「小難をのがれて大難に陥る」という意味になる。
また、『ホビットの冒険』の英語版の第VI章のタイトルが『Out of frying pan into the fire』であり、こちらに由来したものである可能性が高い。瀬田貞二版の翻訳では「一難去ってまた一難」であった。


・洞窟に魔物の影が
『ドラゴンクエスト』のBGM「洞窟に魔物の影が」


・よもや神々が「託宣に従ったのが失敗でしたね」などとは言うまい。
2ちゃんねる卓上ゲーム板困ったちゃんスレで報告された失敗セッションでのGMの発言に由来。

>終わったあと何を間違えたのか聞いたら、
>「依頼を受けたのが失敗でしたねw」


・銀の矢と、薬
・魔女の髪と蓮の花、それに黒真珠を混ぜるとか混ぜないとか……
『雪の魔女の洞窟』と同じファイティング・ファンタジーシリーズの一冊『盗賊都市』を攻略するのに必要だとされるアイテム。


・ポケットの指輪
『ホビットの冒険』


・氷の魔女の洞窟
『ファイティングファンタジー』シリーズの第9弾『雪の魔女の洞窟』


・蜥蜴人が一の太刀!
・兎の庄が一の矢だ
『指輪物語』より、主人公フロドが上げた鬨の声「ホビット庄の一の太刀!(Shire!)」。


・鼠一匹ごとにお金貰ってたら今頃大金持ちだっつーのな!!
映画『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』の作中で強盗に銃を向けられたミッキー・ロークの発言「銃を向けられる度に5セントもらってたら、今頃大金持ちだぜ」。


・氷の魔女に残された手段は瞳だけ。(中略)最後に残された赤い瞳から噴き出した体液が、女神官の髪一筋と頬をかすめて壁に穴を穿つ。
『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する吸血鬼の幾人かは目から体液を高圧で飛ばし不意打ちする能力を持つ。


・そこに雷電激震である。
『仮面ライダー轟鬼』に登場する仮面ライダー斬鬼の必殺技、音撃斬・雷電激震。これは弦楽器を使った技であるが、タイトルキャラクターの轟鬼が使うのは太鼓である。


・まだやれるは『もう危ない』ですよ
TRPG界隈でよく言われる警句
「まだ行ける!というのが勇気。もう危ない!というのが思慮です。主に扉を開けるときに使います」(ファンタジーファイル『RPG用誤辞典』より引用)


・自分が死ぬ。それは想定してしかるべきことだし、いまさら言うまでもない事だ。(中略)「が、今日ではあるまい」
「not today」。いくつかの映画作品で効果的に使われている言い回しだが、文脈的にここでなぞらえているのは映画『バトルシップ』のクライマックスシーンであろう。


・棺桶の釘の如く死へと進むが良いわ!
『グレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)』シリーズ第一巻「暗黒城の魔術師」の死亡演出「死んでしまった。棺桶の釘のように死んでいる」に由来。


・「遠い昔、遥か彼方で綴られた叙事詩をご存じかな?」
巨大な敵の脚にワイヤーをひっかけて転倒させる戦術はオープニングテロップで「遠い昔、はるか彼方の銀河系で……」と語られる映画『スターウォーズ/帝国の逆襲』から。そして戦闘シチュエーションと戦術を提案する言い回しは映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で巨大化したアントマンの攻略のために「みんな、すっごい昔の映画だけど、“帝国の逆襲”って見た?」と作戦を提案するスパイダーマン。


・今度のはただの矢じゃないわよ……!
映画『カリオストロの城』で防弾タイヤを撃ちぬくために「今度のは、ただの弾じゃねぇぞ!」と嘯きながら徹甲弾を装填する次元大介。


・眼球にぶち当たった途端~
上の映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で弓使いのホークアイが爆裂する矢じりで相手に目つぶしを仕掛けている。


・頭骨や心臓でこそないものの、見事な狩りの成果(トロフィー)だ。
映画『プレデター』シリーズで異星人のハンターは強い獲物(多くは戦士としての実力を示した地球人)の骨格などを使用した記念トロフィーを制作する。


・冒険百連発
コンピューターゲーム『エドワードランディ』のキャッチコピー


・そして日常へ
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のエンドロールで流れるBGM「そして伝説へ」。
だがゴブリンスレイヤーの冒険は伝説にはならない。

・ところで昔よ、魔法使いのじじいが言ったもんだ(中略)本当に大事なのは、大冒険なんぞよりささやかなもんだとな。
 そしてある鉱人は言った(中略)てめえの内には、てめえの知らない美しさがあるんだとよ
『ホビットの冒険』での魔法使いガンダルフとドワーフのリーダーであるトーリン(ソーリン)・オーケンシールドが主人公である「忍びのもの」ビルボ・バギンズに与えた言葉。


・本編が戦記ならこれは伝説
ゴブリンスレイヤーの物語の10年前を舞台に迷宮に突入して魔神を討伐する冒険者の姿を描いた『鍔鳴の太刀』を、『ロードス島戦記』の物語の約30年前を舞台に迷宮に突入して魔神を討伐する勇者の姿を描いた『ロードス島伝説』になぞらえたもの。

 

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